気づいたらAmazon Prime会員になっていたので、せっかくだからPrimeで見れる邦画を書く
Amazon Prime会員になると、様々な恩恵を受けられることは風のうわさで聞いていた。
なんでも、送料とか時間指定便が無料になるとか。
そして、Prime Videoが使えるようになるとか。
私には元々、Amazonで買い物をする習慣がなかった。
買いたいものもなかったし*1、宅配便が来るのもなんだか苦手で*2、利用する動機が薄かった。
しかし、通勤用のリュックサックを安価に購入して以降、徐々に使う機会が増えた。そしてあるとき、たぶんタップ間違いをして、気づいたらPrime会員になってしまった。
間違えたなら、無料体験期間中に解約すればいい。それでも、どうせ年額3,900円だし、と思ってそのままにしていた。
そのうち、お急ぎ便や時間指定便が便利だなと思うに至り、以前よりむしろAmazonを使うようになった。
ただしそんな始まり方だからか、存分にその恩恵は受けつつも、なんだか自分がPrime会員であるという意識は薄く、Prime Videoなど他の特典を使っては来なかった。
転機は先日の、M-1グランプリの記事を書いたことだった。
ツイッターのフォロワーさんが、Prime VideoでM-1の映像を見ている、とつぶやいていた。
それを受けて、記事を書くにあたって、過去の映像も少し参照しようかと思い、いよいよPrime Videoのアプリをダンロードしたのだった。
NETFLIXやAmazon Prime Video。
始めると湯水のように時間を使い、無限に余暇の時間が溶けていくと思っていた。
実際、始めたばかりの頃は、いろいろ見れるじゃないか! と、眺めていた。
しかし、それがかえって仇となった。
コンテンツが多すぎて、どうすればいいか途方に暮れてしまうのだ。
見たことがない作品を見ようにも、そもそも現在放映中の録画すら消化しきれない日々である。
これ以上増やすのか、と思うとどうにも気後れがして、再生ボタンを押せない。
するともう、いつ見るのをやめても問題ないしな、と言い訳できる、既に見たことがあるものしか再生できなくて、なんだか虚しい。
同じ作品をレンタルし続けてTSUTAYAやGEOに金を吸われるのも阿呆らしいし、むしろこれこそが正しい使い方のような気もする。しかし、新しく使い始めたはずなのに、新しい出会いを避けてしまっている、という矛盾した感覚もある。
最近は、内容をほとんど忘れてしまっている『STEINS;GATE』をテキトーに見ている。
ああ、俺だ。機関から送り込まれたエージェントの色仕掛けを受けているッ! ……ああ、分かっている……作戦実行に抜かりはない……エル・プサイ・コングルゥ……
あとはちょっと憂うつな感じがわりと続いていて、録りためた番組も再生できていない。これも、もしかしたら再生ボタン押せない問題に関連しているのかもしれない。
この話を知人にしたら、「それは鬱だよ」って即答された。まじかよ。
まあこれは「退職エントリー書きたい日記」の領分だ。今触れても仕方ない。
さて、私は洋画の知識が少ないわけだが、私でも知っているような、古典と呼ばれるような著名な作品は、版権の問題だろうか。あまり配信対象になっていない。
まあ、これは邦画も同様なのだが。
洋画も邦画も、タイトルは聞いたことがある、という近年の作品ばかりになっている。
そのほかの作品をみようにも、私の知識に基づき検索した結果からレコメンドされるばかりなので、なんとなく知っている作品か、最近追加されたばかりの作品ばかりが目につく。
実際、最近追加されたらしい『ミックス』のポスターの、新垣結衣と瑛太の主張が少々うるさい。
もう年の瀬も近い。ぼんやりしていると、そのあいだに年が明けそうな具合である。
年末年始をどう過ごすことになるのかは人によるだろう。そりゃそうだ。
サービス業が増えている昨今、多くの方は冬休みですね! なんて言うと刺されそうで怖いけれど、まあ多くの方が冬休みを迎えると想定して話を進める。
山手線内のNETFLIX広告の本気感がすごい。
— DARS(須田 幸平) (@dars8612) December 17, 2018
この広告のターゲットにならない人間の方が恐らく世に少ないのに、刺りそうな内容。 pic.twitter.com/s87ZSeLXBN
NETFLIXの広告が話題になっていたが、これはまさしく真理である。
であるからして、こういう時期には「暇つぶしにおすすめ!」なんてものを紹介したり、されたりしておくと意外とはかどる*3。
上述の内容からして不安感たっぷりかもしれないが、このままでは「暇なようで暇なじゃないようで、う~ん、どうにも憂鬱で、しんどいにゃ~」と書いただけの冗漫な記事となってしまうので、私の「おすすめ」を書いて締めたいと思う。
まあ、以前のこの記事と似たようなものだ。
ちなみに今回の対象は、2018/12/22時点で、Amazon Prime上で無料(基本料のみ)で見られる実写邦画とする。
書籍やアニメは他でもやるかもしれないが、今回はこれに絞る。洋画を含めないのは、上述の内容ゆえである。
こうしておけば、なんだか12月の記事っぽくなっていい感じオチがつく。
■葛城事件(2016)
劇作家・演出家でもある赤堀雅秋が、自身の主宰する劇団で上演した作品を映画化したもの。
家族に対して高圧的に振る舞う男と、逆らえない妻。その子供の二人兄弟。家族は元よりバラバラで、その後の展開も胸がすくようなものじゃない。ひたすらに不快。特につらいのは、誰も悪くないというか、悪いんだけど、じゃあどこが悪かったという契機がなく、ただ「悪い」が積み重なっていて、どうしようもない、みたいな。だからカタルシスなんて無い。
けれど、笑えるのである。ブラックコメディ、トラジコメディなのである。「あまりにも」なシーンだとか、本人はたぶん必死だし悪気もないんだけどだからこそ異常みたいなシーンとか。まあ、見たらたぶん分かる。
■舟を編む(2013)
『葛城事件』とは打って変わって分かりやすく楽しめるエンタメである。三浦しをんの同名の小説が原作なのだが、そのエッセンスを無理なくまとめ上げており、ストーリーにもメリハリがあって良い。
何より、松田龍平の、コミュニケーションができなさそう見せながら不快感を覚えさせないバランス感覚は見事だし、周りを巻き込み辞書作りという仕事を前進させていく姿もよくハマっている。だから私たちも、辞書作りに感情移入でき、映画を楽しめる。大仕事である。
■バクマン。(2015)
わりと有名なジャンプ漫画の実写化。実写化作品への批判は多いが、これは比較的うまくいったんじゃないかと思う。
大根仁の魅力は、頭を空っぽにして見れることだ。そのぶんわ描写は全体的に、イメージ的で切っちゃになる。特にそれが露骨なのは女性の描き方なのだが、本作は原作にいた小豆以外の女性キャラを描かないという描き方をしている。これに賛否はあるだろうが、尺の都合もあるし、変に墓穴を掘らないし、大胆なる得策だったんじゃないかと個人的には考えている。
また、脇役のキャスティングも妙である。山田孝之の存在感は素晴らしいし、リリーフランキーはやはり上手い。サイコーの叔父がクドカンなのなんて、程よい胡散臭さで、ベリーグッドである。
記事も長くなってきたので、このくらいで。
この冬は『人のセックスを笑うな』あたりを見たいが、また有言不実行なんだろうな。あーあ。